時報発生装置を作ろう!


なぜ、こんな物を作るのか?

や、ミニFMで時報があったら便利かな・・・と思って。
今まで、ミニFMで時報を入れるとすると、民放FMやNHKなどからそのタイミングを見計らって挿入させる必要がありました(その方法も、うまい人はうまいけどね)
または、時報発生装置を購入する必要があるわけで・・・。
「安価で、何も気にせず、時間が来たら勝手に動作する。」を目標に作ってみたいと思います。

ただ、お金と時間がないので、いつ完成するのやら。

仕様はどうする?

さて、大事な仕様決めです。
1.正確に正時に時報を発生させる。
2.出力は、LINE出力とする。

ここまでは、簡単に決まります。しかし、問題が・・・・

・時報はどのパターンにするか
大体、NHKの様に「ぴっ・ぴっ・ぴっ・ぽ~ん」か、民放FMの様に「CM→ぽ~ん」、SBSやLFなんかの独自タイプ(LFだと「ぴっぽ・ぴっぽ・ぴっぽ・ぽ~ん」とかね)が存在するわけです。

NHKタイプは、440Hz、880Hzの発振器のみ。
民放FMタイプ、独自タイプの場合は、IC録音再生できるボード+1KHz(もしくは880Hz)発振器が必要になります(正時の時報も録音再生ボードに任せるという手もある)
あとは、思い切って正時の時報のみにするとか(時刻のお知らせは、「生」で行う(笑))

そんなわけで、悩みました。
目標の「安価で、何も気にせず」を満足させるには、IC録音再生ボードは高い(電話音質レベルなら安いけど、そこそこの性能だと2~3万円位する)ので、NHKタイプと正時出力のみの2種類を切り替えられるようにすることにしました。これなら、OPアンプの発振器のみで済むからね。

そんなわけで、
3.時報はNHKタイプと正時出力のみの2種類を切り替えられるようにする。
に決定。

技術的に可能か?

仕様も決まったので、技術的に可能かどうか確認します。
と言っても、「市販のボードに手を入れれば使えるかどうか」とか、そんなレベルです。

1.正確に正時に時報を発生させる。
時刻合わせの方法としては、
・電波時計
・GPS時計
・パソコン+NTP
・ラジオの時報を受信して合わせる(もちろん手動ではなく)
なんかが考えられます。

とりあえず、GPS時計は高いので却下。
パソコン+NTPも常時接続環境が無い人には使えないので却下。
ラジオの時報を受信して合わせるのも、仕事でやったことがありますが、回路規模が大きくなるので却下。
最初から、これがターゲットだったのですが、「電波時計」に決定。

2.出力は、LINE出力とする。
これは、民生機器と同じにしましょう。
こっちのCDプレーヤは「200mV/2.2kΩ」とか書いてありますね・・・。物によっては「3V/0.3KΩ」とか。うむ・・・当たり前だけど、インピーダンスで電圧が違う。
この辺の規格、全然知らないんだよな・・・。使用する回路の出力インピーダンスが決定しないと、電圧は決められないな・・・。
そもそも、どの周波数の出力で、計るんだ?200mVとか書いてあるけど、電圧は実効値なの?(多分そうなんでしょう、Vp-pだったらそう明記するだろうし)

LINE出力は決定だけど、詳細は調べる必要あり・・・・。

3.時報はNHKタイプと正時出力のみの2種類を切り替えられるようにする。
NHKの時報は、440Hz、440Hz、440Hz、880Hzの組み合わせで、0.1秒、0.1秒、0.1秒、2秒くらいで出来ているようです。
民放の正時の時報は、1kHz位なようです(調べていないので不明)
とりあえず、「3種類の発振器+アナログSW+増幅用OPアンプ」の組み合わせで行くことにしましょう。

ブロックを考えてみよう!

さて、ここまで出来たので、ブロック図を書いてみます。
困った・・・ドローツールが無い(笑)

すみません。省略。

電波時計の接点出力で、発振器のON、OFFをさせて、アンプを通して出力させるだけです。

電波時計を選定する

はっきり言って、この機種があるから、この企画があると言っても過言ではありません。
使うのは秋月電子通商が販売している、電波時計キット。\6,400です。けど電源が別に必要・・・。
このキットに手を入れて使います。
と言っても、このキットに鏝を入れることは無いと思います。

このキットは、トライステートが設計したもので、この会社のページ上に、回路図、PICのソースが載っています。
ここまであるなら使わない手はないでしょう。JJYのデコードチップだけを手に入れても、アンテナとか大変なので・・・。

ちなみに、接点出力はPICのポートを2SC1815でドライブしているだけのオープンコレクタ。
PICのソースもあるから、この接点出力で発振器を制御すればいいだけなのです。

PICは使ったこと無いけどね・・・。アセンブラのソースを見る限りは、57秒出力っていうのがソース上には存在しているので(機能はコメントアウトされている)この辺をいじればOKと見当をつけました。
#しかし、6809系のソースを見慣れた体には、このソースはきつい・・・。命令系は勉強せねば。
開発ツールMPLABはフリーで配布しているので、必要なのはPICライタのみ。ICEは使う予定はありません。
PICライタも秋月のライタを使用予定。これもキットで、\6,700。電源も加えたいので、+\1,000でライタが揃うことになります。

そんなわけで、電波時計はあっさり決定。首都圏出張がある時の帰りに購入予定。
もしかしたら通販かも。
うむ、\14,100+α+消費税か・・・。

発振器を考える

さて、ここまではトントン拍子で進んできました、この企画。
問題の発振器です。
と言っても、高周波を発生させるわけではないので、そんなに技術は要らないのですが。
とりあえず、440Hz、880Hz、1kHzはOPアンプで発振させることにしましょう。
けど、どの辺のOPアンプを使えばよいのやら。昔仕事でやってたけど、忘れた・・・。
参考書が会社に置いてあるので、それを見て参考にしましょう。

なので、この項目は後日追加。

という予定だったけど、内容変更(後述)


余韻をどうするか

「ぽ~ん」の時報は2秒くらいで、そこからレベルが下がっていっているようです。
100%で出力している音を2秒きっかりで止めたら、不自然だよな・・・多分。
うむ・・・どうしようかな。
ポートがONである間は100%で出力し、その後は時定数でレベルを落としていく方法が良いかな?増幅率を時定数で制御するって言う方法。

しかし、どうやってやるんだ?

ここも勉強の必要あり。後日追加です。

こっちも、その予定だったけど、内容変更(後述)


そんなことを書いていたら

会社で「トランジスタ技術」を読んでいたら「これだっ!」と言う回路を発見。上の2項目はすぐに解決してしまいました。
このページにも同じ事が書いてあります。
すばらしいです。2和音まで対応。
余韻の制御も、周波数の制御も可能。
これを使わない手はありません。

PICを使って、制御することにしましょう。
これで、いろいろな時報を「真似る」ことができそうです。

欠点と言えば、正弦波でなく方形波で音が出ると言うことでしょうか。
LPF(ローパスフィルタ)が入っているので、問題ないとしましょう。

電波時計キットのO.C.出力を受けたPICが、このチャイム回路を制御する・・・こういうイメージです。

時報を観察してみよう!

いろいろ時報を作ることができそうなので、各放送局の時報を調べてみました。

時報を観察してみよう!


マイクロチップさんから来た!

マイクロチップさんから、MPLABとかドキュメントとか入っているCDをいただきました。
メディア代はもちろん、送料さえ取らないマイクロチップさんに感謝!
とりあえず、使用デバイスの決定と回路を書かないとソースを書き出せないので、もう少し眠っていることになっちゃうかな?
開発ツールくらいは、インストールしてみようかな。

電波時計とPICライタを作る!

別ページにありますが、時報発生装置用の電波時計PICライタを作りました。
そんなわけで、とりあえずこの企画も、進捗しています(笑)
電波時計のソフトウェアを変更して、57秒・58秒・59秒の出力を取り出せるようにしてみましょう。

MPLABをインストールしてみる

と言うことで、ソフトウェアを変更するためにMPLABをインストールしてみました。

しかし、使い方がわからん・・・。うむ~。何かの本に載ってるかな?
お勉強します・・・・。

FM音源ってのもあるよね

この企画の話をしている時、「FM音源はどうよ?」と言われていたんですが、デバイスが簡単に手に入りそうになかったので、避けてました。
そうしたら、面白いページを発見。モルフィー企画さんのキットです。
デバイス単体でも\1,200で入手できるので、これをPICで制御するようにすれば、携帯電話並の音は出せると言うことですね。
データシートを見る限り、正弦波は発生できないようなので、正時の音は、別に発生させる必要があるみたいだけど。

これは、バージョン2と言うことで検討しましょう。そうすれば、SBS時報が作れそうだし。

一年以上放っておいたので

やっぱり、同じ事を考える人はいるようで、秋月電子通商から「電波時計キット用 短波JJYもどき音響器キット」なるものが売られています。
電波時計キットと接続し、JJYもどきの音や、NTTの117音を発生させるキットのようです。
「PIC16F84A-20/P使用」とか書いてあるところを見ると、私が目を付けていた回路と同じような内容のはずです。
\2,800なので、購入してみましょう(笑)
ソース出してくれるのかな・・・。

そんなわけで買ってみた

そんなわけで、「電波時計キット用 短波JJYもどき音響器キット」と「PICプログラマーVer.4『バージョンアップキット』」、映像・音声ケーブル(RCAピンジャック)2m×5本を秋月電子通商から購入しました。合計\5,500なり。


左から、JJYもどきキット、PICプログラマーバージョンアップキット、映像・音声ケーブルです。



こんな箱に入ってきました。驚いたのが、クッションに使用している新聞紙。



何故か、秋田魁新報・・・。ん~、謎だ。

さっそく製作

「PICプログラマーVer.4『バージョンアップキット』」は、こちらのページを見てください。

製作中の写真を撮っておいた気がしたのですが、ありませんでした・・・すみません。


9割終了した状態。

注意した点と言えば、抵抗の向きを合わせたくらいでしょうか。あと、シルク読み方向に型番の表示が来るように取り付けました。
水色の電解コンデンサは無極タイプなのでどちら向きでもよいのですが、足の長さは普通の電解コンデンサと同じように長いのと短いのがあるので、ちょっと迷うかも。
右下にあるジャンパで、JJYもどきとNTTもどきの設定をします。

そのジャンパの近くにある「バッファ」のシルクが「何でこんな所に?」と思っていたのですが、会社名が「トライステート」だからなのね・・・(理由がよくわからない人は、調べてみましょう)


実際に動作させたのですが、これに関しては後日・・・




2001.09.16/2001.09.23/2001.10.07/2003.02.15/2003.02.23
[目次]
メールはこちらまで