GigaSt Ver.3を作ろう!


便利&面白そうなので

海外衛星を受信している皆さんが結構製作されている、GigaStというキットを私も製作してみました。
アマチュア用として安価にスペアナが製作できるとあっては、手を出さないわけにはいきません(笑)
信号の強度と周波数などがわかるのは魅力的。
衛星以外にも、テレビアンテナの方向合わせなどにも使用できるしね。

仕事じゃない事で半田鏝を握りたかったという事もある(笑)

ブロック図・回路図などは、GigaStのサイトを見てください。


こんな箱に入って送られてきました。相当人気があるらしく、配布をお願いしてから2ヶ月くらい待ちました。

ちなみに、送られてくるのはプリント基板と部品、高周波モジュール、接続ケーブル、ACアダプタ、ソフトウェアで、ケースはありません。ケースは別途入手して自分で加工する必要があります。

まずは部品の実装

プリント基板に部品を実装していきます。
実装順序としては、チップ部品→リード抵抗・ダイオード・ジャンパ→その他という順序がやりやすいかな?
チップ部品は2125(2012)サイズなので楽勝ですね。
チップインダクタのレジストを削るように指示があったのですが、削らなくても実装できました(実装してから「どの部品だ?」って確認したら、実装済みだったという・・・)
1列のソケットを2個にカットする必要があるのですが、これは不要になるピンを引き抜いてからニッパでカットし、カッターで整えればよいでしょう。


半田面はこんな感じ。フラックス除去のために洗浄しています。



部品面はこんな感じ。
プリント基板に部品を実装するので30分くらいかかりました。

この状態で動作確認

キットの説明書を読むと、高周波モジュールを取り付ける前に、この状態で動作チェックする必要があります。
付属のソフトウェアをインストールし、RS-232Cケーブルで接続します。
ACアダプタを接続すると、こんな画面が・・・。


不良じゃないよ。高周波モジュールをまだ取り付けていないので、正常な画面です。うまく通信が出来ているという事です。

再現性は良いです。一部、実装時にわかりにくい所がありますが、回路図を見ればわかるレベルですし。


ここまで動いているなら、高周波モジュールを取り付けて動作確認をします。


説明書通りにセンター0MHzにすると、このような波形が!
うまく動いています。

ケースに入れる

今回のキットにはケースがないので、ケースの購入・加工を行います。
テイシン電機のTK-11に合わせてあるとの事なので、それを購入しました。
エスエス無線で購入。1個\820でした。TK-11には色の種類があるのですが、私は黒を購入しました。
また、電源スイッチが無いので、電源スイッチも取り付けます。
ロッカースイッチを使い、電源をON/OFF出来るようにしましょう。

コネクタ・高周波モジュールの位置をノギスで実測し、寸法を出していきます。
その後は、ボール盤・ハンドニブラを使い穴開けをしていきます。


ポンチで印を付けた後、穴を開けます。



ハンドニブラは角穴を開けるとき大活躍。



仮に組み立てた状態。寸法に大きな誤差はないようです。



電源スイッチ部の配線を行います。
基板上のDCジャックを使用しない事にして、別のDCジャックをケースに取り付けます。
そのDCジャックから+側をロッカースイッチ経由で基板に接続し、-側は基板にダイレクトに接続します。
ロッカースイッチにインジケータが付いているので、電源ON時に明かりがつくようにしました。
このロッカースイッチ内蔵のLEDが、どんな仕様かわからなくてねぇ~。VfとかIfとかわからないので、適当な制限抵抗を付けています。
緑色だし、10mA位流しとけばいいでしょ?と言う事で、330Ωを入れたのですが、少し暗かった・・・。



配線も済んで、筐体に組み込んだ様子。
基板本体は厚手の両面テープで固定しました。
基板にネジ止め用の穴が開いているのですが、これを使用してケースに固定するには、ちょっと厳しそうだったので。



完成した様子。ケースに文字を入れたいのですが、テプラみたいな物も嫌だし、良い物が思いつかないので、とりあえずこのままです。
テプラだったら、白マジックで手書きの方が良いかな?
刻印できればなぁ・・・。

色々測定してみる

完成したので、色々測定してみましょう。

テレビ
地上波テレビを測定。自宅はUHFのみです。中電界~弱電界地域なので、ブースタが入っています。


SDT(静岡第一テレビ):27ch
SATV(静岡朝日テレビ):29ch



SUT(テレビ静岡):39ch
SBS(静岡放送):41ch



NHK総合:52ch
NHK教育:54ch

おお~、映像周波数・音声周波数とも確認できます。


ラジオ
FM放送を測定。4エレ八木アンテナで受信。


K-MIX(日本平):79.2MHz
NHK-FM(芝川):84.9MHz
K-MIX(芝川):85.8MHz
NHK-FM(日本平):88.8MHZ


海外衛星

・Palapa-C2
10.6GHz/9.75GhzユニバーサルLNBFを使用。


シンボルレートの違いで幅が違うところが興味深い。


・PAS-8(Cバンド)
5.15GHzLNBFを使用。全体的にレベルが低いのは、台風が近づいている豪雨の時に、チューナの出力で測定したからです。


水平偏波



垂直偏波

シリアル-USB変換器を使ってみる

シリアル接続で問題なく使用できているのですが、いかんせん活線挿抜が出来ないのはつらい・・・。
常に使うわけではないので、使用したいときだけ接続したいのです。
それと、シリアルポートが1ポートしかないので、シリアル-USB変換器を使う事にしました。


これが購入したELECOM製UC-SGT。\3,144なり(ポイント\1,560使用)

接続すると自動的に認識して、ドライバをインストールして終了です。
これといって問題は無し。シリアルポート接続と同等に使えました。

地上デジタル放送の試験電波を測定してみる

静岡地区の地上デジタル放送が(試験放送だけど)始まったので、GigaStで測定してみた。


NHK教育:物理13ch
SBS(静岡放送):物理15ch
SUT(テレビ静岡):物理17ch
SATV(静岡朝日テレビ):物理18ch
SDT(静岡第一テレビ):物理19ch
NHK総合:物理20ch


ちなみに、同じスパンでアナログ放送を測定するとこんな感じなので、デジタル放送が幅広い帯域を使っているのがわかりますね。


映像と音声の信号が別々なので、2本1ペアの信号が出ています。


ちなみに、自宅では地上デジタルのNHK総合が受信できないのですが、GigaStの測定結果を見ると理由がわかりますね。
どこかのアナログ放送の20ch(?)を受信していてちゃんと復調できていないようです。

2003.09.21/2003.09.28/2005.04.17
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