VP-1020カードで遊ぶ!


オークションに出てくるから

7月のとある日、Yahoo!オークションを見ていたら「DVB PCI チューナーカード デジタル海外衛星用」なんていう出品が。
PowerColor社のDSTVという商品でした。
写真を見る限り、TwinHanのVP-1020のOEM品らしい。
値段も\7,000位だったので落札してしまいました。

WARDで扱っている168FTAというCOMSTARのカードもVP-1020のOEM品のようなのですが、こっちは\24,000もするし・・・(最初はこっちを買う予定だったのだけど)
実験的な要素が強いので、あまりお金をかけない方法で入手する事にしました。

というわけで、文章中はVP-1020カードと記述します。
VP-1020Aカードという物も存在するようで、「A」タイプは基板が赤色です。
VP-1020とVP-1020Aの違いはあるのでしょうか?知っている人は教えてください。

入手したわけ

このカードを入手したのは、下記の事をしてみたかったからです。
・MPEG-2TSのデータ(ファイル)を作りたい
・4:2:2の映像をデコードしたい

DVDとかPC用キャプチャソフトで扱っているMPEG-2はPS(プログラムストリーム)という形式なのですが、DVBとかISDBの放送で使っているのはTS(トランスポートストリーム)形式なのです。
仕事でTSのデータが欲しかったので、このボードがよいかな・・・と言うのが1点。

もう1点が、海外衛星を見ていて、たまにSNGの信号が4:2:2で出てくるからです。
普通のDVBチューナでは4:2:2を見る事ができないので、こういうボードで見ようというわけです。
(4:2:2とか4:2:0とかは色差フォーマットの事です)

届いた!

特にトラブルもなく到着しました。


入ってきた箱と取説・CD-ROM。一時期、秋葉原で販売していたらしい。「BSが見られるかどうか確認中」とかいう文章を見る限り、あまり考えずに仕入れしたらしい。


ボードはこんな感じ。
VP-1020と比べると、アートワークも同じみたいだし、カスタムのICもTWINHANって書いてあるし、同じ物ですね。
PCIのベンダIDやデバイスIDも同じ値を返しているようです。というか、チップのデフォルト値を返しているのですが(笑)
サブベンダIDとサブデバイスIDは違う値を返しているようですが・・・ここは確認できません。
ドライバもソフトウェアもTwinHanのサイトにあるVP-1020の物が使えています。



続きはまた後日・・・


途中を端折って、このネタを・・・。



やっぱりDVB Appsでしょ

Vision Plus WinDTV2.2を使用するのはよいのですが、不便・不満な点があります。

1.プレーヤを作った人は、DVBの事をわかってないのでは?
操作体系が、「テレビを見る」というより「DVDを見る」ような操作体系で、直感的ではありません。
もしかして、DVDプレーヤソフトの流用?

2.4:2:2が見られない
これを目的に購入したのに、見られないのでは意味がありません。
それなら普通のチューナを使います(笑)

そこで、皆さんが使われている、HansのDVB Appsを使用することにします。









Propertiesに

常用しているDVBApps.ViewerのPropertiesにこんな設定が・・・。
(使用しているソフトウェアはDVBApps 1709です)


Audio/VideoのDecodersの設定に「Sigma hardware decoder」の設定がある!


というわけで、こんなものを準備してみました。


REALmagic Xcard。会社から借りてきました(汗)
一応、このカードに載っているEM8475/EM8476を使用する回路を設計しているので、こういうものが会社にあるのです。
(ここ数年このチップを使う回路ばかりなので、この辺は詳しいよ(笑))

うまく動いたら、このカードの購入を考えましょう。



ちなみに、ボードはこんな感じ。ブラケットは上から順にSPDIF(同軸)、S/Composite共通7pinのMiniDIN、RGB出力、RGB入力。
基盤左からLine出力、SPDIF出力、SPDIF入力、Digital Video Out。

RGB出力は、MPEGデコードの映像をフルスクリーンで出力するときに内部のアナログSWで切り替えています。なので、MPEG映像をきれいに見ることができるんですねぇ。
オーバーレイするときは内部のコネクタを使ってVESAコネクタにつなぐ必要がありますが。

というわけで、実装

パソコンに実装してみました。


上から、ビデオカードはAll-in-wonder128Pro、サウンドカードはYMF744搭載カード(AOpen製)、LANカードはRTL8139C搭載カード、VP-1020互換カード、Xcard(今回のボード)。
マザーボードはTUSL2-C(ASUS)です。

ちなみに、Xcardは割り込みを共有しない方が良いのですが、とりあえず何も考えずに実装(笑)


マシン全体像。試験用の機械なので特に見るべきところはありません。

使えるかな?

パソコンの電源をONにして、Xcardのドライバをインストールします。
再起動は求められないので、DVBApps.ViewerのPropertiesの設定を変更して受信をしてみます。


お!受信できた。Codecの設定がおかしいと、ソフトウェアが落ちていたのですが、それもなく受信しています。

え?映像が無いと?そうなんです、Xcardはハードウェアデコーダなので、オーバーレイの設定(ハードウェアの接続)をしないとパソコン側には何も表示がされません。
そこで、Xcardのビデオ出力を普通のTVに接続して見ると、映像がでていました。


こんな感じ。ちなみに、PALの映像もNTSCで出力されます。これは、Xcardの初期設定がNTSCだから。PALの映像も動きはスムーズです。

ということで、Xcardが使用できることがわかりました。
おお・・・これで非力なマシンでもスムーズに受信ができる。

4:2:2は?

Xcardが使用できるのはわかったのですが、SNG等で結構使用されている、4:2:2のフォーマットがデコードできないとあまり意味がありません。
なぜなら、4:2:2以外のフォーマットは普通のチューナで大体見ることができるからです(笑)

で、4:2:2を使用しているPAS-8のCNN Hong Kong feeds(3812H/SR10850)を受信してみました。
・・・が、映像が出ません

まあ、Xcardに使用しているEM8475/EM8476のチップが「MP@ML対応」と書いてあるから、4:2:2は見えるわけがないのですが・・・。残念。

買う?

VP-1020+DVBApps+Xcardの組み合わせで、普通のDVBチューナと同等の性能が出せることは確認できました。
が、DVBAppsを使用するメリットの4:2:2が見られないとなると、私としてはメリットが少ない。
XcardがHDTVに対応していないので、DVBのHDTVを見ることもできないだろうし・・・。

購入するとなると、こんな人にお勧めです。
・チャンネル情報などをパソコンで管理したい
・別の用途(DivX用に買ったとか)ですでにXcardを持っている
・どうしても、映像をコンポーネント出力で見たい
・どうしても、映像をRGB出力で見たい

私はというと・・・Xcardは買わないでしょうねぇ。
会社から借りたカードは、明日返却します(笑)

2004.02.01/2004.02.15
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