キャプチャボードを使う!その2


キャプチャボードを貰ったので

会社の上司から、ハードウェアMPEG-2エンコーダのキャプチャボードを貰いました。
何故かと言えば、数年前にパソコンを2台プレゼントしたのですが、それのお返しで貰ったのです(私が机の上にあったのを「欲しい」と言ったからなのですが(笑))


貰ったのはI・Oデータ製GV-MPEG2S/PCI。

チューナ無しのハードウェアエンコードなので、テレビ録画には向きませんが、私みたいに「仕事で使うデータを作る」とか言う人には向いているのかも(そんな人は少数派です(笑))
本来は、ビデオデッキからの映像を取り込み、DVD化するために使用するのが正しい使い方です。
このサイト的には、NTSC/PALが扱えると便利なのですが、I・Oデータのページには「本製品の仕様上、PAL方式のビデオデッキからのキャプチャーは行えません。対応可能な方式はNTSCのみとなります。」とか書いてあるので期待せずに、スカパー!の映像キャプチャ用に使用していました。

けどNTSCってわざわざ書く?

しかし、「NTSC DVD 5.00 MBps」とか書かれると、「それ以外も出来るんじゃないの?」とか思ってしまいますよね?


こんな風に書かれたらねぇ。

ちなみに、ボード上のVideo DecoderはフィリップスのSAA7115で、NTSC/PAL/SECAMのデコードが出来ます。
ん~、ますます疑惑は深まるばかり(笑)

信号を入れてみた

物は試し、保証外だけどPALの信号を入れてみました。
そうしたら・・・お!


Phoenix InfoNews(PAL)を表示させてみました。

なんだ、映るじゃん・・・。あとは、MPEG-2でキャプチャできるかどうかだけ。
とりあえず、数分のデータをキャプチャして、PowerDVDで確認してみました。


ちょっと見にくいですが、TV systemがPALになっているでしょ?

なんだ~、PALでも使えるじゃん。これで、ハードウェアエンコードでPAL映像をMPEG-2化できる!
期待してなかったけど、意外に使えるやつでした。

ちなみにNTSCは

NTSCは、当たり前だけど普通に使えます。


TVBS-N(USA)を表示させてみました。

ボードはこんな感じ



一番大きいICが、BROADCOMのBCM7040
映像がNTSC/PALのMPEG-2エンコードと、音声がMPEG-1 Layer-2とDolby Digital AC-3のエンコードをしてくれます。
ただ、映像信号の入力はCCIR656なので、外部にデコーダが必要で、音声信号の入力もI2Sなので、外部にA/Dコンバータが必要です。

その左側にあるのがフィリップスのSAA7115
9bitタイプのNTSC/PAL/SECAMのデコーダです。このICでITU-R BT.656(旧CCIR656)のデータを作ってます。

音声信号用には旭化成マイクロシステムのAK5353を使用しているようです。
これで、Line信号をA/DしてI2Sの信号に変換しています。
96kHz/24bitのサンプリングまで出来るタイプのようです。

意外なのが、ボードがMade in Indiaと言う事かな。何か不思議な感じ。感じなだけなんだけど・・・。

フェライトビーズが「これでもか!」というくらい載っています。
一応、電源周りや信号ラインのノイズには気をつけているようです。
それ以外は普通な作りですね。

キャプチャした信号のクオリティは、私には評価できません。あまり比較した事無いので・・・。それよりも、MPEG-2フォーマットが行儀良いやつかどうかが気になります。

PALでキャプチャしたい方に

パソコンでPAL映像をキャプチャしたい人には、お勧めです(そんな人いるのか?)
ハードウェアエンコードですし、非力なマシンでもPAL映像をキャプチャできます。
ただし、動作保証外ですが・・・。

海外衛星受信が趣味とか、ビデオテープがPALばかりで困るとか、何故か自宅はPALだとか(どんな人や)、そういう人には便利かな?

私も、予想外に使えるやつで、ちょっと嬉しいです。

長期に使用してみて

さて、実際に使い出して4ヶ月ほど経ちましたが、今の感想を。
リップシンクがずれまくって使い物にならない!
キャプチャした時点でリップシンクがずれているんですよ。
挙げ句の果て、MPEG-2ファイルのお行儀が悪いらしく、大半の編集ツールが使えないし。
というわけで、お勧めしません。

ソフトウェアバージョンアップ

このキャプチャボード用のソフトウェア、2002年にVer.1.00が出てからず~っとバージョンアップがありませんでした。
「まあ、もうバージョンアップは無いだろうな」と思っていたら、2004年4月に突如バージョンアップしていたのです。
Ver.2.1.114(RapidREC)まで一気にバージョンが上がっていました。
(ダウンロードはここ)
変更履歴を見ると色々書いてあるのですが、特に「RapidRecでキャプチャしたファイルが他のソフトウェアで正しく読み込めない場合がある問題を修正。」というので期待して使用してみる事にしました。

いろいろ増えてるじゃん

さっそくソフトウェアをインストールしてみました。
お、変更履歴に書いてある事以外にいろいろ機能が追加されてるじゃん。

特に気になったのがこれ。

PALは保証外なのに、入力セレクトにPALとかSECAMの文字が。


それ以外にも、静止画キャプチャ機能が追加されています。

静止画キャプチャボタンが追加されました!


1枚ずつしかキャプチャできませんが、無いよりマシです。

SECAMを入力できるの?

選択肢にSECAMがあったら、SECAMを入れてみるしかありません。
Gorizont33のChannel One Russia(SECAM)をの映像を入力してみました。
そうしたら・・・お!



SECAMも表示されました。
MPEG-2にはSECAMがないのでキャプチャするとなると、PALに変換されると思うのですが、どうなのでしょう。
試してみます。

キャプチャしたデータを、PowerDVDで表示させます。

ちょっと見にくいですが、TV systemがPALになっているでしょ?

SECAMを入れるとMPEGのデータが作られないのではなく、ちゃんとPALに変換されていました。

これで、ソフトウェアのバージョンアップで、NTSC/PAL/SECAMのキャプチャとMPEGのハードウェアエンコードができるようになりました。
非力なマシンでもますます便利に使えるようになりました。

肝心なリップシンクは?

前のバージョンで問題になっていた、リップシンクと他のソフトウェアで読み込めない問題。
これも改善されたようなので、確認してみました。

リップシンク・・・10分くらいキャプチャしてみましたが、特にズレはないようです。

他のソフトウェアでの読み込み・・・カノープスのMpegCraftで読み込んでみましたが、無事に編集ができるようになりました(前のバージョンでキャプチャしたデータでは、読み込んだだけでMpegCraftが落ちていた)

やっと一人前?

これでGV-MPEG2S/PCIも一人前になりました。
というか、リップシンクズレとか他のソフトウェアで読み込めないとか、基本的なところがダメだったのが問題なのですが。
今回のバージョンアップで、PALとかSECAMとかの動画をキャプチャしたいという人にお勧めのボードになりました(PAL/SECAMは保証外だけど)
ただ、2004年5月に生産を終了してしまったようです。
こういう用途で使いたい人は、急いでお店へ(笑)

2003.08.16/2003.12.22/2004.07.04
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